苦手な数学の克服法

東大生に、どうやって数学の苦手を克服したのかを聞いてみました!

こんにちは。私は物理工学を専攻している4年生です。
今回は私が高校生のころ、特に受験勉強の際に行っていた数学の勉強法について書きたいと思います。

私は高校時代、数学が大の苦手でした。
決して嫌いだったわけではなく、解説を見ると「なるほど!面白いな」と思うのですが、問題と向かい合うとなると解き方がまったく思い浮かばず、普通の模試でも平均を大幅に下回ってばかり。東大の模試にいたっては120点中0点近くの点数を取ってばかりで、ぶっちぎりで足を引っ張る科目でした。
そのときの勉強法はというと、あまり新しい問題には手を出さず、解けなかった問題の「解き直し」が中心でした。それでも点はなかなか伸びず、苦手意識はまったく克服できずにいました。皆さんの中には「復習≒解き直す」と考える人も多いと思います。
これは必ずしも間違いではありませんが、私が数学の苦手克服のために変えようと考えたのはこの「復習」のやり方でした。
「解き直し」だとその解法そのものを覚える作業になりがちだし、自分の頭で考えるというよりはどうしても模範解答の記憶を頼りに解いてしまって、かけた時間のわりに成果が実感しづらいです。それよりも、「解法が思いつかない」というのを克服するには、解法を思いつくまでの「プロセス」の訓練をしないと意味があまりないのではないか、と考えました。
そこで私が行った勉強法は、「数学の日記をつける」ということでした。

具体的に何をしたかというと、解いた問題の解説を授業で聞いたりしたら、必ずその日のうちにその問題のエッセンスを手帳に書き込んでおいて、暇なときにそれを何度も見返していました。
「この問題ではここが一番のポイントだ」、「どの原因をクリアしていれば正解になっていたかな」、「これはこの問題に限らず、こういうシチュエーションで一般に使える考え方だから、要チェック!」など、本で読んだりした解説に加えて、自分が実感したことを盛り込みながらメモを残す事を心がけました。解答解説集に書いてある内容は一般の人々に向けて書かれた説明ですが、そこに自分が手を少し加えることで、自分だけの弱点やわかりやすい説明などが詰まった参考書として働いてくれます。また、機械的に解き直す作業よりもはるかに記憶に残りやすいということも強く実感しました。

こうして日記をつけることで単なる解き直しもより成果を感じられるようになったと思います。

過去に解いた問題も、日記を開いてチェックすればその問題のエッセンスがそこに詰まっているし、何より普通の解説集には書いていない「どう考えていけば解けるか」という「プロセス」の部分の復習になりました。これにより古い問題の解き直しに時間を割きすぎずに、むしろ新しい問題にチャレンジしていく中で「日記」で身に付た成果を試していくという良い循環になっていきました。勿論、解き直す作業自体も時には必要で、例えば答案の作り方が難しい問題などはしっかり手を動かして答案を作る練習をしました。

この方法のもうひとつの長所は、自分の率直な考えを、頭の中だけにとどまらせず手帳に書き出す過程で自分の中で解決できていない疑問が確認でき、質問すべきポイントが整理できる点です。

勉強し始めの時期や本当に苦手な科目では、そもそも「何がわからないのかすらわからない」ということが多いですが、わかる範囲でポイントをまとめようとする作業を通して「何がわかっていないか」を少しずつ炙り出していけるのです。実際私は、日記を付けては先生に質問する、というサイクルをこなすことで数学の点がかなり安定し、得意科目とまでは行きませんでしたが東大の模試などでも十分な点数が取れるくらいには実力を伸ばすことができました。

苦手科目は愚直に努力しようとするほど、ひたすら解き直すことに偏ってしまいがちです。
しかし、大事なのはその特定の問題が解けるようになることではないということにぜひ注意してください。その問題に詰まっている様々な考え方やテクニックを少しでも多く吸収できるほど、その問題の価値は増します。あくまでその方法の一つが、「数学の日記」だと思ってください。これはあくまで参考として、ぜひ自分にあった勉強法を見つけて、そしてどしどし質問をしてください。お待ちしています!!

(工学部 A.H)